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能登地震

2024.2.7

「令和6年能登半島地震 災害支援基金」第2次緊急助成プログラムで15の事業を採択しました


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令和6年1月1日に発生した令和6年能登半島地震の甚大な被害を受け、公益財団法人ほくりくみらい基金(所在地:石川県金沢市、代表理事:永井三岐子)は「令和6年能登半島地震 災害支援基金」を立ち上げ、第2次緊急助成プログラムの対象として助成先15団体、助成金額260万円を決定いたしました。

この基金では石川県内での緊急・復旧・復興支援活動を助成プログラムで支援します。緊急期のみならず、復旧期・復興期まで中長期的な支援を行う予定です。

第2次緊急助成プログラムは2024年1月21日から公募をスタートし、助成総額に達し次第受付終了としていましたが、今回21件の応募の中から15団体を採択し、活動の必要性・緊急性の観点を鑑み、本来の助成総額を上回る形での決定となりました。

 

「令和6年能登半島地震 災害支援基金」第2次緊急助成プログラム助成先15団体

1.石川県民だからできる生活支援

団体名:一般社団法人 石川県災害ボランティア協会
団体住所(本拠地):石川県金沢市
活動場所:石川県輪島市
採択金額:200,000円
申請事業の概要:上下水道の復旧までシャワー提供、物資支援を継続予定。

2.被災地における性的マイノリティの困りごと実態ヒアリング調査

団体名:一般社団法人金沢レインボープライド
団体住所(本拠地):石川県金沢市
活動場所:能登地域の避難所および1.5次・2次避難所、金沢にじのま(金沢市池田町にある常設の居場所)
採択金額:100,000円
申請事業の概要:お困りごとについてのチラシ・ポスターの作成と避難所等での掲出、電話等の相談対応、避難所等でのお困りごとの実態についてのヒアリング調査を実施し、自治体や政府に対する簡易調査報告書及び要望書を提出する。

3.被災地への物資支援と二次避難先での炊き出し

団体名:るーぷ
団体住所(本拠地):石川県野々市市
活動場所:石川県白山市、金沢市、野々市市、輪島市、七尾市
採択金額:200,000円
申請事業の概要:全国のこども食堂さんから寄せられた物資のお知らせ、報告、そして届けられた物資の仕分け作業を行う。被災地からのリクエストや被災者からのリクエストに応じて被災地や活動地での物資支援。金沢・野々市・白山市に来られた方への炊き出し支援などを行う。

<活動報告>
・実施した事業の内容
 七尾市内、能登島内への炊き出し+物資配布と、輪島市内への物資配布
 全国のこども食堂から集まった支援物資を、温かいご飯・スープと共に提供
・受益者数のべ1,300名
 (内訳)能登方面のべ1,100名、2次避難者のべ200名

<会計報告>
◆ほくりくみらい基金「第2次緊急助成」助成額
80,000円

◆支出内訳(科目/内容/小計)
①ガソリン代/11回分/51,194円
②レンタカー代/4回分/58,700円
③食材・調味料代/能登方面3回+金沢市内(2次避難所)4回/52,902円
④備品代/汁物保温機、ご飯保温コンテナ、ご飯ネット/30,394円
⑤容器代/30,229円
【合計金額:233,419円】

 

4.高齢者・小児を対象としたカウンセリング、レクリエーション、メンタルケア、シャンプー・マッサージ支援

団体名:ヒーリングハンズ
団体住所(本拠地):石川県河北郡津幡町
活動場所:石川県七尾市
採択金額:100,000円
申請事業の概要:七尾市内において、支援者や被災者(自主避難者を含む)を対象としたカウンセラーによるカウンセリング、高齢者・小児を対象としたレクリエーション、保健師(金沢市委託赤ちゃん訪問指導員)による健康チェック、メンタルケア、子育て相談、乳幼児の発育発達相談、美容師によるシャンプー・マッサージ支援を行う。

5.地域が地域を助ける、自助ネットワークの構築事業

団体名:奥能登支援コミュニティ
団体住所(本拠地):石川県鳳珠郡能登町
活動場所:石川県金沢市、珠洲市、輪島市
採択金額:200,000円
申請事業の概要:被災者の中でも、自宅被災者や金沢に二次避難した「動ける」被災者たちとのネットワークを使い、災害コーディネーターとしてニーズと人材のマッチングする仕組みを構築する。

6.能登を元気に!子どもの笑顔プロジェクトやわやわ~と

団体名:INSインストラクターチーム
団体住所(本拠地):石川県金沢市
活動場所:石川県金沢市、小松市など
採択金額:200,000円
申請事業の概要:金沢市内、小松市内のそれぞれの公園で子どもとその家族が参加できる自然体験、自然あそび、お話会、ネイチャーゲーム、焼き芋づくり、クラフト等を実施する。また、子どもの生活に必要な生活用品などの譲渡を行う。

7.野々市市2次避難所炊き出し応援作戦

団体名:nono1みんなの食堂
団体住所(本拠地):石川県野々市市
活動場所:石川県野々市市
採択金額:200,000円
申請事業の概要:野々市市2次避難所に所在する避難者を対象に、野々市市内子ども食堂運営団体の有志で、圧倒的に不足している野菜、ビタミン、ミネラル等の補給を主眼にした「汁物」と「野菜ジュース」を提供する。

8.被災者および避難所への緊急物資支援活動

団体名:特定非営利活動法人 森の遊学舎
団体住所(本拠地):岐阜県郡上市
活動場所:石川県羽咋郡志賀町、輪島市
採択金額:200,000円
申請事業の概要:輪島市の避難場所での状況ヒアリング、SNSネットワークを通じたニーズの汲み取りと物資・支援者のマッチングを実施。必要な物資・人を必要なタイミングで現地に送る為の後方支援チームを組織し、必要物資の購入や調達、送るための荷造り、現地での活動をサポート。 活動の周知を実店舗やSNSで行い、活動協力の呼びかけも行っている。

9.被災建築物緊急修繕事業

団体名:黒島復興応援隊
団体住所(本拠地):石川県輪島市
活動場所:石川県輪島市
採択金額:100,000円
申請事業の概要:輪島市内で破損した窓や扉にブルーシートを張るなどして風雨や人・動物などの侵入を防ぐことにより、住民の財産を守り不安を取り除く活動を実施する。

10.ユースのリビング 中高生の居場所環境整備

団体名:一般社団法人第3職員室
団体住所(本拠地):石川県金沢市
活動場所:石川県金沢市
採択金額:200,000円
申請事業の概要:能登半島地震で被災した中高生を中心とした10代を対象に、学習および学習支援事業、居場所事業、相談支援事業を行う。

<事業報告>
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=pfbid0RDnF2j6UPGJAT2FdSBJsLjFngkBuVvW2i8LqgRsecH8Kvq7yZFgVCzDt5DjGcbEel&id=61557295509857

成果:
1月15日〜3月31日まで週4日程度合計57日開館
利用者実数43人(両拠点合計、一部10歳未満含む)
延べ146人(ユースのリビング112人、みんなの勉強部屋34人)

<会計報告>
◆ほくりくみらい基金「第2次緊急助成」助成額
200,000円
◆支出内訳(科目/内容/小計)
【1】 備品購入費/パソコン/65,000円
【2】 備品購入費/iPad/35,200円
【3】 備品購入費/ボードゲーム/2,864円
【4】 備品購入費/イス/6,560円
【5】 備品購入費/テーブル/10,951円
【6】 備品購入費/ハンモック/2,731円
【7】 備品購入費/ハンモック/8,808円
【8】 備品購入費/マット/1,874円
【9】 備品購入費/音響設備/2,990円
【10】 備品購入費/AV機器/1,390円
【11】 備品購入費/AV機器/1,430円
【12】 備品購入費/AV機器/1,999円
【13】 備品購入費/什器(棚)/11,599円
【14】 備品購入費/什器(棚)/5,380円
【15】 備品購入費/什器(棚)/7,400円
【16】 備品購入費/居場所備品(ダーツ)/11,990円
【17】 備品購入費/居場所備品(卓球)/1,390円
【18】 消耗品費/日用品(ティッシュ)/217円
【19】 消耗品費/食料品(ココア)/354円
【20】 消耗品費/食料品(お茶)/451円
【21】 消耗品費/食料品(コーヒー)/429円
【22】 消耗品費/日用品(ゴミ袋)/450円
【23】 消耗品費/日用品(ゴミ袋)/327円
【24】 備品購入費/居場所備品(卓球)/130円
【25】 消耗品費/日用品(コップ)/272円
【26】 消耗品費/日用品(ゴミ袋)/2522円
【27】 消耗品費/事務用品(名札)/2,580円
【28】 消耗品費/食料品(水)/1,242円
【29】 備品購入費/居場所備品(ダーツ)/3,798円
【30】 備品購入費/備品(台車)/4,480円
【31】 施設使用料/卓球台使用料/100円
【32】 施設使用料/卓球台使用料/50円
【33】 印刷費/チラシ印刷費/3,320円
【合計金額:200,278円】

11.先生が今ここで働きたいと思える環境づくり支援

団体名:能登高校魅力化プロジェクト
団体住所(本拠地):石川県鳳珠郡能登町
活動場所:石川県鳳珠郡能登町
採択金額:200,000円
申請事業の概要:生徒や教職員の安否確認、就職内定先との連絡、大学受験生に対する対応、学校再開に向けての準備、対面とオンラインのハイブリッド形式での授業の実施などに対応している教員に対し、地域の事業者と連携し、必要なケアと支援ニーズの聞き取りを行う。

<活動報告>
1月1日の震災では、能登高校の多くの教職員も被災し、中には不幸にも亡くなられた先生もいらっしゃいました。

能登高校の教職員は発災直後から、生徒の安否確認や校舎・寮の被害状況確認、就職内定先との連絡、大学受験生への対応、県教委や関係各所との調整・交渉、学校再開に向けた準備、そして学校再開後は対面とオンラインのハイブリッド形式での授業を作って実施するなど、生徒たちの学びの環境を保障するため、希望する進路を閉ざさないため、高校を再開させるために、寸暇を惜しんで尽力されました。自らも被災者であるにもかかわらず、自分や家族のことは後回しにして、公私ともに苦労・心労でいっぱいいっぱいの状態が続いていました。

そうした状況を少しでも改善するために、支援者である教職員への支援が必要だと考え、能登高校魅力化プロジェクトでは、公益財団法人ほくりくみらい基金の「令和6年能登半島地震 災害支援基金」を活用し、能登高校の教職員の皆さまに1人60分間のマッサージを提供しました。わずかな時間だけでも心と体を癒し、英気を養っていただくための取り組みです。

なおマッサージ施術は震災以前から能登町内でマッサージ業を営む方にお願いしました。
 ▶マッサージを受けた教職員数: 46名
 ▶実施日: 2月1日から16日のうちの10日間

マッサージを受けた教職員からは以下のような声をいただきました。

・眠ってしまうほどリラックスできた
・体がポカポカになった
・体が軽くなった
・マッサージを受けた当日、久しぶりによく眠れた
・緊張状態が続く中でこんな時間を持てるとは思わなかった
・またマッサージを受けたい
・このマッサージを楽しみにしている先生が結構います
・職員室ではこのマッサージを受けると天国に行けると言われています

またマッサージ施術者と教職員とのやりとりでは以下のようなエピソードがありました。

・施術後に涙ぐんで「マッサージを受けられて良かった、来てくれてありがとう」と言ってくれた
・「ずっと眠るのも難しかったし、休まるときがなく疲れが取れなかった」と話してくれた

10日間のマッサージ施術を終えて、施術者からは次のような感想を聞きました。

・どの教職員も身体の疲れはもちろんのこと、会話や背中・肩・首・頭部のこわばり・手足(身体の末端)の冷えから、強い精神的な疲労を感じました
・施術を受けたことがない方、あまり受けたことがない方がほとんどで、施術前はあまり期待していない様子もありましたが、施術後には表情が明るくなり、筋肉のやわらぎ、手足が温まる様子から効果が見受けられました
・ほとんどの方々から施術後に直接、嬉しい言葉をいただきました

教職員は被災者でありながら支援者の立場となってしまうため、身体的・精神的な疲労が強くあるにも関わらず、なかなか自己のケアに意識を向けることが難しい状況ですが、今回こうして第三者の提案で半ば強制的にマッサージを受けたことは、長期戦となるであろう復旧・復興の道のりにおいて教職員が自己のケアを大切にすることの必要性を再認識するきっかけになったのではないでしょうか。

また、発災後は社会が非常事態となり、被災者が自己のケアを後回しにせざるを得なくなったり、ボランティアによる癒しのプログラムが提供されたりする中で、「有償で、正規料金で、マッサージを受ける」というニーズが少なくなり、マッサージ施術者は事業継続が現実的ではないと考えていたそうです。ですが今回は公益財団法人ほくりくみらい基金の「令和6年能登半島地震 災害支援基金」を活用して、マッサージを正規料金で依頼し、震災前と同様に正当な対価を得られる仕事として行なっていただきました。ここにも今回の企画の意義・目的がありました。

<会計報告>
▶助成金の活用実績
◆ほくりくみらい基金「第2次緊急助成」助成額
200,000円
◆支出内訳(科目/内容/小計)
①マッサージ施術費 1人4,500円×46名=207,000円
【合計金額:207,000円】

▽団体活動報告ページ
能登高校魅力化プロジェクトWEBページ

12.子ども服の配布と親子コミュニティ再構築

団体名:一般社団法人 はぐネット
団体住所(本拠地):石川県金沢市
活動場所:石川県野々市市
採択金額:200,000円
申請事業の概要:生活に必要な衣類の無償提供。衣類提供場所でのコミュニティ形成を行い、情報交換や地域交流の場を設ける。

13.能登地震の影響で制服を必要とするこども達へ制服支援活動

団体名:NPO制服バンク石川
団体住所(本拠地):石川県金沢市
活動場所:石川県金沢市
採択金額:200,000円
申請事業の概要:二次避難をしている子どもたちへ、制服・体操服・ポロシャツ・ランドセル・カバンなどの無償提供を行う。

<活動報告>
地震の影響で避難してきたこども達へ制服、体操服、ポロシャツ、ランドセルなどを、20家族へ、合計117点提供しました。
新しい学校で、たくさんのお友達ができました!と、笑顔で報告してくれた子も♪
全校で数十人から、数百人の学校に通うことになりびっくりしたそうです。
今後も、子ども達が笑顔で学校に通えるようお手伝いしていきます♪

<会計報告>
◆ほくりくみらい基金「第2次緊急助成」助成額
200,000円
◆支出内訳(科目/内容/小計)
①消耗品/制服仕入れ代一式(制服・体操服・ポロシャツ等)/200,000円
【合計金額:200,000円】

▽団体活動報告ページ
NPO制服バンク石川 Facebookページ

14.2024年能登半島地震災害支援

団体名:笑顔のこども食堂ネットワーク-GOHAN-
団体住所(本拠地):石川県金沢市
活動場所:石川県金沢市、輪島市、珠洲市
採択金額:200,000円
申請事業の概要:被災地での炊き出し、支援物資の配送、金沢市へ二次避難をしている方への学習支援、お弁当配布、夕食会を実施する。

15.二次避難者への食事支援

団体名:金石スタジオ
団体住所(本拠地):石川県金沢市
活動場所:石川県金沢市
採択金額:100,000円
申請事業の概要:金石地区で避難している方へ、夕食の提供を行う。

<活動報告>
金石荘宿泊の被災者32名に対し、日曜日に夕飯の炊き出しを実施(全9回、累計288食)。
金石の魚を中心にいつも食べている家庭を作りました。ボランティアの人は、金石スタジオ中心にしたい方声かけて小学生3年から70歳まで幅広く手伝ってもらいました。どんどん参加したい人が増え、メニューも色々で、金石荘の方も手伝ってもらい、楽しく喜んもらえました。

<会計報告>
食料費 63,035円
容器・箸代 4,175円
調味料・消耗品費 6,778円
炊飯器 9,408円
スープジャー 16,980円
(米・魚はメンバーからの寄付)
合計 100,376円

今後について

第3次助成プログラムの公募も現在準備中です。

準備が整い次第、ウェブサイトにて公募要項を公開します。