お知らせ
News
2024.4.30
能登半島地震の女性の経験と思いに関するヒアリング調査報告書をまとめました
ほくりくみらい基金では、発災以来地域で復旧活動を行う団体を支援する中で、避難所や支援の現場を支えてきた女性の声をたくさん聞いてきました。
被災者の半分は女性でも避難所運営に女性の視点を入れる難しさ、女性だけが担う負担、男性の中に女性1人の会議。これってみんなどうしてるの?という素朴な疑問から、情報交換のために動き出した能登の女性たちが「フラはなの会」を立ち上げました。ほくりくみらい基金は「減災と男女共同参画研修推進センター(GDRR)」共同代表の池田恵子氏(静岡大学グローバル共創科学部・教授)、公益財団法人 みらいRITA YUI みらいプロジェクトとフラはなの会をお繋ぎし、4者の連携により女性たちの体験を聞き取りまとめることができました。
調査の結果、
1. 避難所の運営において、女性や多様な人々のニーズが十分に把握されていなかった
2. 炊き出しなどの労働は、主に女性が長時間にわたり、無償で担っていた
3. 震災の影響のみならず家族・親族のケアのために出勤できず失職した女性がみられた
4. 外部資源とつながり被災者や避難所運営を支援するためのしくみを考案し、実践した女性たちがいたことがわかりました。
また、これらの背景として、意思決定の場に女性が少なく、平常時から女性が発言しにくい状況があったこと、女性はパート労働の割合が多く失職のリスクが高かった、そして無償ケア労働(家庭内で無償で行われる、女性の家事・育児・介護・看護などの「ケア」にまつわる労働)の女性への著しい偏りとそれを「当たり前」とする平常時からの固定的性別役割分業意識(=ジェンダーバイアス)が見えてきました。
報告書全編「彩りあふれる能登の復興へ〜能登半島地震の女性と思いと経験に関するヒアリング調査」
報告書ダイジェスト版はこちら
そして聞き取りからは、実にしなやかに外部資源とつながり、命を守るために奮闘した女性たちのたくましい姿と、地域に対する強い思いを知ることができました。ほくりくみらい基金ではこれらの声を、復興計画や地域づくりに活かしていけるように関係者に働きかけていきます。