レポート
Report
活動報告
2023.12.24
2023年活動報告会編【「ほくみと ほくほく ほうこくの会」レポート①】
12月6日、ほくりくみらい基金オフィスにて、「ほくみと ほくほく ほうこくの会」を開催しました。
この会は、2023年のほくりくみらい基金の取り組みとそれを受けて考えたこと、今後の計画をご報告し、この1年ほくりくみらい基金を応援くださった皆さんに、改めてお礼をお伝えしたく企画しました。
のべ33名の方々にお越しいただいた、当日の様子をレポートします!
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まずは、「2023年ほくりくみらい基金活動報告会」編。
2023年の活動報告会は、ほくりくみらい基金の永井・須田・守山のセッション形式で行いました。
◆264名の方々のご支援によって、一般財団法人設立!
2022年夏から設立準備をはじめ、同年11月から一般財団法人設立のためのクラウドファンディングを開始。
264名の方々から300万円を超えるご寄付をいただき、2023年4月3日にほくりくみらい基金は一般財団法人化しました。本当にありがとうございます。
桜咲く4月3日の法人登記で、「ここからだ!」と思いを新たにしたことをふりかえります。
4月26日には、設立発起人の皆さんへ法人設立のご報告とお礼をお伝えする場、そして皆さんのお声をお聞きする場として、設立発起人交流会を開催しました。
珠洲市から加賀市まで、石川県内からのべ35名の方が集まってくださいました。
永井「ふだんの暮らしにおけるいろんな疑問とか、『もっとこうだったらいいのに』という意見を皆さんから聞ける機会でしたね」
◆ボランティアやプロボノ(※1)の支援も行ってきました
※1 プロボノ:経験やスキルなどの専門性を活かしてNPOなどの課題解決に関わるボランティアのこと
守山「お金の循環をめざす財団ではありながらも、人の循環というところにも挑戦しましたね」
5月5日に発生した奥能登地震。
ほくりくみらい基金は、5月10日に珠洲市内で視察・ヒアリングを行いました。
永井「ヒアリングをしてみて、ボランティアセンターに依頼するほどじゃないんだけど、日常の困りごとがあるということがわかったんですね。でも『うちはあそこほど大変じゃないし』と遠慮してしまうという状況がありました」
須田「それであれば、ボランティアに来てほしいというのニーズとボランティアしたいという人をマッチングするシステムをつくろうと、珠洲市や珠洲市社会福祉協議会と調整の上で、独自にボランティアマッチングシステムを構築しました」
永井「ただ、『助けてほしい』『手伝ってほしい』という声を可視化するということに抵抗もおありだったようで、ニーズの登録は進まなかったんですよね。個人的に相談のメッセージは来るんだけれど、多くの人の目にふれるマッチングシステムへの登録は遠慮されてしまう」
須田「そうですね。簡単にニーズは可視化できないんだと学びました」
永井「被災された当事者の方が、このタイミングでニーズを文字情報にできるのかと言われたら、簡単じゃなかったよねとも思います。このような経験も少しずつ積みながら、災害時にほくりくみらい基金だからこそできる本当に必要な支援は何かを、引き続き考えていきたいなと思っています」
9月には視覚障害者の方の移動アテンドボランティアを募集・マッチングしました。
金沢市で行われた「第31回視覚障害リハビリテーション研究発表大会」へ参加する視覚障害者の方向けに、観光を目的とした移動をお手伝いするボランティアです。
5件のマッチングが成立し、ボランティアの皆さんには講習を受けていただき、ボランティア当日に臨んでいただきました。
守山「ボランティアに参加くださった方の中には、ご自身が観光の専門家の方で、かつ奥様がガイドヘルパーさん(視覚障害者の移動支援の有資格者)という方がいらっしゃいました。観光のルートを熱心に考えてくださって、雨の場合はこうしたらいいとか細やかな対応もしてくださいました。ほくみが仲介することによって、助けを必要としている方と、こんなにぴったりな方をつなげられるんだなと感じました」
◆初めての助成プログラム、「次のステップ」助成プログラム
永井「設立拠出金の余剰金と新たにいただいたご寄付を原資として、総額100万円の初めての助成プログラムを企画しました。ご寄付がなければできなかったプログラムです。本当にありがとうございます」
「次のステップ」助成プログラムの詳細は、「ほくみの学校」受講生公開インタビュー編へ
◆ほくりくみらい基金の基盤強化
ほくりくみらい基金自身のチームづくり・基盤づくりにも取り組みました。
永井「ほくりくみらい基金は何を目指し、何をすべき団体なのか、ということを時間をかけて話し合いました。いろんな活動や経験を一緒に重ねてきて、見ているものの解像度が少しずつ上がって、そうやってできあがったのが、このビジョン・ミッションです」
須田「自分たちが望む社会を『誰かが叶えてくれたらな』ということではなくて、『自分たちでつくっていこう』という気持ちになってくれる人を増やしていきたいという気持ちを込めました」
守山「そうですね。たくさん時間をかけて考える過程で、“諦め感”とか“閉塞感”とかいうワードも上がってきていました。その中で、“問題解決したいんだ!”と市民活動団体の皆さんが立ち上がってくれることももちろんそうだし、“一市民としてそういった団体を応援する”ということも社会を変える一歩なんだよ、ということを伝えていきたいと思っています。それが寄付なのかもしれないし、ボランティアとかプロボノとかかもしれないんですけど、みんなの一歩が積み重なっていったら、本当に未来とか社会が変わるんだよっていうことを、ほくみを通して実感してもらえたらいいなと思っています」
◆ほくりくみらい基金は、公益財団法人になりました!
2023年12月1日、ほくりくみらい基金は公益財団法人になりました。
行政庁から公益性を認められたことによって、団体の社会的信頼が向上し、ご寄付が税制優遇の対象になります。
◆これからのほくりくみらい基金
助成事業の強化
守山「やりたいと強く思っているのが『事業指定助成』ですね。簡単に言うとほくりくみらい基金を通じたクラウドファンディングです」
永井「通常、助成プログラムは、公募をして、審査をして、採択された団体に助成金をお渡しすると言う流れなんですが、『事業指定助成』では、“この活動をしたい”という団体が、その活動をするための資金をほくりくみらい基金のプラットフォームを使って集めるという仕組みです」
守山「資金調達のプロセスをほくみと一緒に進めることで、解決しようとしている課題を多くの方に認知していただくとともに、団体さんにも資金調達の力をつけていただけるようなプログラムを想定しています」
永井「さらにそこに、公益化の税制優遇が効いてきます。ほくりくみらい基金のプラットフォームを利用してもらうことで、寄付者の方が税制優遇を受けられます」
守山「そうやってほくりくみらい基金のプラットフォーム上で資金調達に挑戦する団体さんが増えて、今まだ見えていない課題が可視化されていくということも実現したいと思っています」
須田「私自身、医療的ケア児の旅行を支援する一般社団法人Try Angleという団体を運営している身でもあるんですけど、自分の団体だけで税制優遇を受けようとするとすごく大変なんですね。私の一般社団法人であれば公益財団法人にならなければいけないし、NPO法人であれば認定NPO法人にならなければいけない。そういう団体にとってはすごくありがたい仕組みだなと思っています」
永井「その期待に応えるためにもほくりくみらい基金自身の認知度をもっともっと上げていかなきゃいけないということもありますね。『財団です』と名乗ると、『じゃあお金あるんですよね、助成してください』ということも言われがちなんですけど、皆さんの賛同とご寄付がなければ決してできません」
守山「そうですね。私たちはコミュニティ財団なので、市民の方がこれ大事だよねって思ったことに対して寄付をいただいて、それを市民の感じる課題解決に使っていく、それが役割です。そして、こういった助成の仕組みをつくっていくにも、何か取り組みをするにも、日々運営資金が必要です。ほくりくみらい基金を応援する制度も周知していきたいなと思っています。ほくりくみらい基金を一緒につくっていってくださったらと思います」
対話の場づくり・課題の発信
守山「今までも市民活動団体の皆さんにヒアリングを実施したり、オンラインや対面でイベントを開催したりして、どんなことを課題に感じているとか、こういう課題に取り組んでいるとかお話を聞いてきました。これから、それをもっと加速させていくとともに、多くの方にそれを発信することを強化したいと思っています」
永井「先日11月28日にも、ほくみギャザリングvol.1『これからの自治を話そう』というイベントをやったんですけど、とても盛り上がりました。その回は私たちからの話題提供でしたけれど、皆さんからいただいたテーマでもどんどん対話の場をやりたいなと思っています」
「ほくみの学校」受講生公開インタビュー編 へ続く